恒春はその昔、「瑯 虔 」あるいは「琅 虔 」と呼ばれていました。しかし、清朝以後は年中春のような過ごしやすい気候であることから「恒春」と呼ばれています。恒春古城は恒春鎮の中央に位置し、保存状態が良好な古城です。国家二級古蹟に指定されています。恆春の四つの城楼を散策してみましょう。西門を起点にしてそれぞれを回っていくのがよいでしょう。
西門:
西門は人通りの激しい中山路に位置し、庶民の暮らしの中に溶けこんでいます。実際、ここは恒春の城門の中で、庶民にとって最も身近な存在と言えるでしょう。西門の近くには町市場があり、ここはかつて最も活気があった場所でした。現在でも付近には二階建ての赤煉瓦建築が建ち並び、昔ながらの風情が漂っています。ここは町そのものが歴史的な価値を持っていると言えましょう。本場の屋台料理を楽しむならば、この西門一帯へ足を運ぶのがおすすめです。
北門:
若干ですが町はずれに位置しています。門を通り抜けると、三台山、虎頭山を遠くに眺めることができます。アーチ型の煉瓦造りの門で、特色ある建築です。現在北門と西門は乗用車以下の小型の乗り物に限って通行が許されています。これも恒春ならではの特殊な交通風景に数えられています。
南門:
旧社区を通りぬけ猿洞山遺跡に沿って進んでいくと、南門に到着します。ここは恒南路中央に位置し、城門がロータリーとなっています。城壁はすでにありません。猿洞山は珊瑚礁でできた小さな丘ですが、広寧宮、天后宮、竜泉岩、福徳宮などの名刹があり、村人の暮らしを静かに見守っています。南門の前には軒が設けられており、これは日よけや雨よけとなるもので、独特なデザインとして知られています。
東門:
南門を過ぎ、満州、佳楽水に向かう路上にあるのが威厳のある建物をした東門です。東門と南門の扉上には「清光緒元年季秋月建」と記された額があり、建城時期が分かります。東門には城楼があるだけではなくて、城壁も幾度かの修復を経て残っています。城の上からは遠くを眺められ、古城の建築美を観察できるだけでなく、村の風景も眼下に収めることができます。