一日目
恒春
恒春
恒春はその昔、「瑯虔」あるいは「琅虔」と呼ばれていました。しかし、清朝以後は年中春のような過ごしやすい気候であることから「恒春」と呼ばれています。恒春古城は恒春鎮の中央に位置し、保存状態が良好な古城です。国家二級古蹟に指定されています。
墾丁大通り
墾丁大通り
昼間の恒春半島の主役は美しい景色と質素な人文古蹟ですが、夜になると墾丁大街がその魅力を開花させます。
後壁湖
墾丁国家风景区
国境の南、ロケ地めぐり
陽光が満遍なく降り注ぐ、天地の果て。白い砂、元気に泳ぐ魚たち、ヤシの木、ラムネ、すべてが黄金色にきらめいています。人々は座ったり、横になったり、おしゃべりをしたり、笑いあったり。紫外線をたっぷり浴びた健康いっぱいの手足や顔は一日経つと、紅くほてり、真っ黒になり、皮が剥けてきます。シャワーを浴びて、冷蔵庫からビールを取り出し、高音の歌と焼いたスルメをおつまみにしましょう。ビーチのエネルギーが民宿の庭の中で再び燃え始めます。これこそが恒春半島に漲るエネルギーであり、人々はこれを求めて各地から車や自転車に乗ってやってきます。ここには四季に関係なく、台風の日でもサーフボードを担いでやってくる人がいます。黒々として、たくましい手足で波をキャッチする彼ら。台風がもたらす高波もまたサーファーにとっては大きな贈り物なのです。
誰もがこの土地を愛しており、流行に敏感なブームを作る人たちも、当然ながら、ここの美しさを注目していました。入り江、断崖、ビーチ、波間ではいくつもの感動的な物語が生まれ、艶やかな雲と大胆な海風が作る自然風景をバックに、数多くの美男美女の恋愛も誕生しました。
恒春という小さな村もこの映画により注目を集めました。台26号線傍にある静かで地味な村が、映画に登場する阿嘉と茂伯が暮らす場所であったことから多くの人々が詰め掛けるようになりました。そして、水蛙という登場人物が働くバイク屋も例外ではありません。映画ファンは黄色いべったりとしたガソリンやうるさいエンジン音は目に入れず、水蛙のオーナー夫人への片思いを思い出します。ファンにとってはロマンチックな場所となっています。また、映画の中に登場する隣人や友人などはすべて現実にいそうな人たちばかりです。この映画は恒春だけではなく、人情溢れる世の中を描き出しています。
映画『海角七号』の主人公阿嘉の家の内部
映画『海角七号』の手紙の中の友子おばあさんの家
我在墾丁、天気晴」というドラマでは自由奔放な恋愛が描かれています。失意にくれる人も、上手くいっている人も、この土地を心の故郷と感じています。故郷に未練がある女の子、心の傷を治療している人気のネット作家、心の奥底に悩みを持つ若い男の子、世の辛酸をなめ尽くし、ここで民宿を開き始めた中年男性・・・・。それぞれが心に痛みと悩みを持ち、ドラマの中の俳優たちは、煮え立つお風呂の中に放り込まれたかのように、現代社会の男女模様を演じています。また、ドラマには福華飯店や墾丁大街、後壁湖のように現代化されたレジャースポットやショッピングスポット、および海景色や魚類食品が登場します。俳優たちは脚本によって役の喜怒哀楽を演じているだけですが、巧みなストーリー展開と構図テクニックにより、視聴者たちは実際に自分が恒春半島にいるかのような錯覚を覚えます。ドラマを通して自分を発見し、また恒春半島にしかないものを見ることができるのです。
今後も、多くの人々がここを訪れ、ロケ地めぐりが行なわれることでしょう。

映画『海角七号』の主人公阿嘉がじっと見つめるビーチ(萬里桐)
サイト訪問者数:7,143
最終更新日時: 2021-12-01